かぶとあくねし
阿久根市 大石酒造
カブト釜式蒸留器で蒸留しました。ほのかに兜釜の木の香りを感じる独特のおだやかシッカリした味わいが秀逸です
●阿久根市波留にある大石酒造は明治32年(1899年)創業の伝統蔵です。
蔵の脇にはシンボルともいうべきレンガ造りの煙突があります。
※以前は、現在の倍以上の高さだったのですが 1997年(平成9年)
阿久根市近くを震源地とした鹿児島県北西部地震で崩れてしまっ
たのだそうです。
大石酒造のこだわりは「地産地消」のようです。
地元で生産される素材を使い、地元で消費する(ただ、大石酒造の焼酎は地元だけでなく全国で飲まれるようになりました)「鶴見」「莫祢氏」などの通常商品には澱粉工業が盛んだった地元・阿久根市で広く植えられていた澱粉芋「白豊」が原料として使われています。
麹用米も阿久根市で生産された県産米が使われています。
●「かぶと莫祢氏(あくねし)」は、地元産「白豊」芋を原料に県産米の黒麹を用い甕壺で仕込んでいます。
そして、蒸留は蒸留器の原型といわれる「カブト釜式蒸留器」で蒸留しました。
※兜釜式蒸留法は、日本では明治時代頃まで用いられていた伝統的な蒸留法です。
甑(こしき)の上部に、その名前の由来となるカブト型の冷却なべを載せて、滴ってくる
焼酎原酒を集める構造で、日本には室町時代に伝わったとされているそうです。
一般の常圧単式蒸留器であれば1000リットルを3時間で蒸留できるのに対し、兜釜式
蒸留器では500リットルを4時間と非常に効率が悪いそうです。
蒸気と水の加減が難しく大変な手間と時間がかかる蒸留法ですが、もろみに蒸気が
直接当たらないので、芳醇(ほうじゅん)で品の良い味わいときめ細かさがしっかり残る
仕上がりとなっています。
●大石酒造で使われている「兜釜式蒸留器」は、元エンジニアである蔵の五代目当主・大石啓元氏が古い文献を参考に、昔使われていたかぶと釜蒸留器が展示されている地元の博物館に通いつめ 試行錯誤しながら自らの手で作り上げたそうです。
かぶと釜蒸留器を用いて、じっくりと時間をかけて少しずつ蒸留しました。
○穏やかな芋の香りのなかに ほのかに兜釜の木の香りを感じます。
○口あたりが良く、コクのある香味がしっかりと味わいを残します。
※白豊芋を「白麹」で仕込み兜釜式蒸留器で蒸留した「かぶと鶴見」と飲み比べたら面白いと思います。
●ラベルには国際的に活躍する書家の八戸香太郎氏、書き下ろしの題字を使用しています。
贈り物にも最適な、上品で個性的な焼酎です。ぜひお試しください。
度 数:25度
原材料:さつま芋 米麹(黒)