たからぼしじざけ
鹿児島市 本坊酒造鹿児島工場
冠婚葬祭用のお酒、又郷土料理の調味料酒として重宝されてきた鹿児島の伝統酒
●鹿児島の「地酒」は製造方法は清酒に似ていますが清酒ではありません。製造過程で「もろみ熟成」の後半に「灰木汁(樫の木の灰などの木灰汁)」を加え、酸性からアルカリ性にすることによって保存性を高め腐敗を防ごうとした鹿児島の伝統酒です。
麹米や米を多めに使う濃厚仕込みのため、醗酵後の糖化(米が溶けて糖分になること)により 甘味が強く、古酒になればなるほど赤褐色を帯びてきます。
★鹿児島では藩政以前より薩摩の酒として、お正月のお屠蘇や冠婚葬祭には欠かせないものとして飲用されてきました。
★また「地酒」は高級アルコール、各種アミノ酸、有機酸、タンパク質等を豊富に含んでおり、肉を柔らかくしたり魚等の生臭さをとる働き、また香料を材料にしみ込ませ易くし煮くずれを防止する働きがあります。
そして「本みりん」同様多くの糖類を含んでいるので、材料に上品な甘みとテリを与えるといったすぐれた特性を兼ね備えています。
鹿児島では「さつまの酒すし」「さつまあげ」「とんこつ」などの郷土料理に欠かせない調味料として使われていますが、薩摩の郷土料理だけに限らず幅広い料理に使われ全国有名料理店をはじめ県内外多くの方に重宝がられています。
「灰持酒(あくもちざけ)」
醸造した「もろみ」に木灰を加えて、酒の保存性を高めるという「灰持(あくもち)」という製法を使って醸造した古来の日本の酒です。
これはわが国に伝わる酒(日本酒)の製造法の一つで、灰を使って酸敗を防ぎ、保存性を保つので「灰持(あくもち)」と称し、これに対して普通の清酒は火入れ殺菌により保存性を持たせるので「火持(ひもち)」と称します。
灰で酒の酸を中和することで、結果、元来酸性である酒が、中性か微アルカリ性に変わるという、世界でも他に類を見ない製造法の一つです。
なお、もろみに加えられた木灰は、次の工程で完全にとりのぞかれますので、酒の中には残りません。
「みりん」とどのように違うのか?
みりんは、アルコール(または焼酎)の中に麹(こうじ)ともち米を入れ、焼酎の中でもち米の澱粉を糖化し、その糖分が焼酎の中に溶け込んだもので、「発酵」という過程がありません。
これに対し赤酒は、清酒と同様に発酵と糖化が並行して行われ、糖分・アルコール・アミノ酸が渾然一体となり甘味と旨味を醸し出しています。
さらに酒類ではまれな微アルカリ性という性質を持っており、料理に用いた場合、肉類・魚類などのたんぱく質を固めず、(身をしめず)ふっくらとした仕上がりにすることができます。
みりんとの違いがよく分かるのがテリとツヤで、みりんよりテリよく仕上がり、冷めても料理のツヤが落ちません。また、アクのある野菜を煮た場合でも、色が変わらずきれいな色に仕上がります。
度 数: 13.5度以上14.5度未満
原材料:米、米麹、もち米、醸造アルコール、糖類、木灰、調味料(アミノ酸)